12年使ったサイコンが詰みかけたので、AIに泣きついた話
一通のメールを見て、さすがにこれは終わったかと思いました。
12年使い続けたパイオニアのサイコンが、SHIMANO CONNECT Labのサービス終了で、いよいよ行き場を失いかけたのです。
何度も買い替えを考えながら、思い入れが強くて使い続けた12年もののサイコン。その運命やいかに。
1. 憧れの機材
もう若い子は知らないかもしれませんが、その昔、パイオニアがパワーメーターとサイクルコンピューターを作り、自転車乗りの間で大きな話題になりました。
力の大きさだけでなく、ペダリングの方向まで画面上で可視化する。当時としては画期的なシステムでした。
サイクルコンピューターは、SGX-CA500。
パワーメーターは、SGY-PM910H2。
私はこの組み合わせを何年も愛用してきました。
当時、センサーやクランク、サイコンまで揃えると30万円を超える高級機材でした。
私ら世代には、「パワーメーターは高いもの」という刷り込みがあります。
今では4万円前後から買えるパワーメーターもあり、ずいぶん身近な機材になりました。
2. 12年経っても、これが好き
SGX-CA500は、機能的にもよく出来ていました。
地点を登録しておけば、その区間のタイムをその場で計測できる。平均パワー、最大パワー、その区間だけのデータも確認できる。
現役時代はかなり重宝していました。
すっかり衰えた今は、パワーメーターこそ使わなくなりました。それでもSGX-CA500は、サイクルコンピューターとしていまだ現役です。
時は過ぎて、はや12年。
ゴム部分は加水分解でボロボロ。ボタンは押しても反応しづらい。バッテリーは寿命を迎え、これまでに三回交換しました。
それでも好きで使い続けてきました。
新しい製品が嫌いなわけではありません。ただ、まだ使えて、使い方も体に馴染んでいて、代わりになるものが見つからない。
それなら、買い替える理由がないんです。
3. 運命のメールが届く
そんなある日、シマノから一通のメールが届きました。
「SHIMANO CONNECT Lab サービス終了のお知らせ」
SHIMANO CONNECT Labは、2027年3月31日でサービスを終了。終了後はログインできず、各機能も利用できなくなるとのことです。
ガーン!
俺のSGX-CA500ちゃん、いよいよ使えなくなるの!?
4. 「.db」という独自形式の壁
SGX-CA500が書き出すログデータは、「.db」というパイオニア独自のファイル形式です。
このままでは、STRAVA、Garmin Connect、GoldenCheetahなどで直接読み込むことができません。
これまではSHIMANO CONNECT Labを経由し、他のサービスでも扱える形式へ変換することができました。
ところが、その入口がなくなる。
これはついに詰んだか。
いよいよ年貢の納めどきか。
さすがに12年使ったし、今では使っている人もほとんど見ません。そろそろ新しいサイコンへ買い替えるしかないのか。
諦めかけましたよ、本当に。
5. 困った時のAI様
そこで、ピコーン!と思いつきました。
困った時はAI様です。
これまでの経緯を説明し、「.db」ファイルをSTRAVAなどで読める「.tcx」形式へ変換するアプリを作れないか、相談してみました。
するとAIは、こちらの説明と実際のデータを手がかりに、変換アプリを作ってくれました。
PC上でドラッグ&ドロップで変換してくれる簡単アプリです。
もちろん、一発で完璧とはいきません。
最初は数値に多少の誤差がありました。元のデータと変換後のデータを見比べ、違っているところをAIへ伝え、また直してもらう。
それを五回ほど繰り返したところ、SHIMANO CONNECT Labから書き出したデータと、ほぼ同じ数値まで寄せることができました。
私はプログラマーではありません。
ただ、「ここが違う」「この数字は合っている」と、実際のデータを見ながら伝えただけです。
何とか修正を重ね、長年使った機材を延命するアプリが、目の前で少しずつ出来上がっていきました。
6. アプリの配布はできません
SGX-CA500を今も使っている人は、もう多くないでしょう。
こんなニッチな記事に需要があるとも思えません。
でも、私と同じように「本体はまだ動くのに、サービス終了後はログデータをどうすればいいのか」と困っている方は、少なからずいるはずです。
シマノの公式案内では、サービス終了後はSHIMANO CONNECT Labに保存されたアクティビティデータも削除され、復元できなくなるとされています。
必要なデータが残っている方は、2027年3月31日までにダウンロード、または他社サービスへエクスポートしておいた方がよいと思います。
詳しくは、シマノの公式案内をご確認ください。
もし今後もSGX-CA500を使うのであれば、AIに相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。
AIとのやり取りも、やってみると楽しいものです。私もプログラムには疎いので、難しく考えずに試してみてください。分からないところから、AIが一緒に道筋を考えてくれます。
今回作った変換アプリは、私の環境と手元のデータで確認した個人用のものです。すべての機器やデータで正しく動く保証はありませんし、一般配布も考えていません。
同じものが必要な方は、ご自身のデータを使ってAIに相談してみてください。その際は、元の「.db」ファイルを必ず複製し、手を加えていないデータも残しておくことをおすすめします。
7. これで2027年の春を越えられる
これで、SHIMANO CONNECT Labが終了する2027年の春を越えて、SGX-CA500を使い続けることができます。
以前の日本製品は、本当に良いものが多かったですよね。
パイオニアのサイクルスポーツ事業資産の一部がシマノへ譲渡されると聞いた時、私は嬉しかったんです。これからますます良いものになっていくと思っていました。
それだけに、SHIMANO CONNECT Labまで終わるとは。正直、意外に短命でした。
古くなって、ゴムが傷んで、ボタンの反応まで悪くなった。それでも、なかなか代わりが見つからない。
共に戦い、私の喜びも、悔しさも、これまでの歩みをすべて記録してくれていました。
時代が変わっても、これに代わるサイコンに、私はまだ出会わないでいます。
もうね、ここまで来たら、自転車に乗れなくなるまで僕はSGX-CA500を使うよ。
使い続けるよ。
今回作ったものは、私個人の環境で使うための非公式な補助ツールです。メーカー各社とは関係なく、動作を保証するものでもありません。一般配布の予定もありません。