Cervelo トップチューブのクラック修理
Cerveloの修理をお預かりしました。
実はこのフレーム、うちに来るのは二年ぶりの二回目です。
1. 初回の修理
実はこのフレーム、お預かりするのは二回目です。
前回の修理は、他者の落車に巻き込まれて空中一回転。
サドル側から地面に着地し、シートポストがフレームを突き破ってしまったというものでした。
損傷箇所は大きな力が直接かかり続ける場所ではありませんので、状態を確認したうえで、小さくカーボンシートを貼り、必要な範囲で修理しました。
豆知識ですが、シートポストの角を落としておくと突き破りにくくなります。
2. 屋根の上のCervelo
二年ぶり、二度目の入庫です。
今回は、自動車の屋根の上にCerveloを載せて移動中、考え事をしていてうっかりゲートに衝突して壊してしまったそうです。
これはびっくりしたでしょうね。
同時にかなりショックだったと思います。
それでも、大きな事故にならなかったのは本当に幸いでした。
私も、屋根に載せていることをちょいちょい忘れがちです。
いや、これは他人事じゃなかです。気をつけないといけません。
3. クラック範囲を確認する
まずは塗装を剥がし、クラックの範囲を確認します。
打音も低い音でポコポコと、段ボールを叩くような音がします。
深くはなさそうでしたが、長さは約102ミリ。
なかなかに長いです、これまでで最長かも。
カーボン修理は、見えている傷だけで判断すると危ないことがあります。
表面の割れなのか、繊維まで傷んでいるのか。
目視と打音で、どこまで補修するかを決めていきます。
超音波探傷器?そんな高価な機材持っていません。これまでの経験が頼りです。
4. 巻き方を考える
今回は、一枚のカーボンクロスを二回巻きで巻き付けることにしました。
折り重なる部分は、クラックとは逆向きに来るようにします。
ただ巻けばよい、というものではなく、力の入り方、重なり方、仕上がりの太さ。そういうところを見ながら決めていきます。
5. 樹脂を塗って、削って、繰り返し繰り返し
樹脂を塗布して、削る。
それを四回ほど繰り返し、スムージングしていきます。
どうしてもカーボンを巻いたところは太くなってしまいます。
それは仕方ないことです。
如何に目立たないように自然に整えるか、極力段差が出て不自然にならないように磨いていきます。
ここは時間がかかります。写真では一瞬ですが、実際は盛って、削って、見て、また削る。その繰り返しです。
いい感じに整ってきました。
6. サフェイサー、白、赤、最後に艶をつける
サフェイサーを吹き付け、細かな段差を磨いてならす。
これを二回繰り返し、白を塗ってラインを再現します。
続いて、赤を塗装します。
ラストにクリヤーを吹いて、磨いて艶出しし完成です。
ちなみに余談ですが、博多弁では「あいつカッコつけてる」を「あいつ艶つけてる」といいます。
私の地元だけかな?
文字通り、艶をつけたフレームの完全復活です!
我ながら、いい出来!やり甲斐のある楽しい仕事でした。
7. 60代でも挑戦し続けるアスリート
今回のご依頼主は、60歳を過ぎた今でも現役で競技を楽しまれている方です。
毎年、大きな大会にも挑戦されている本格的なアスリート。
以前は、私も一緒に汗を流す大切な競技仲間でした。
ただ、私は53歳で腎臓を壊してしまい、泣く泣く競技から手を引きました。
私の年齢を大きく超えて、60代になっても挑戦を続ける姿は、私から見ると眩しく、光り輝いて見えます。
強い選手は、体そのものも強い。
けれど、とりわけ内臓が丈夫だと、昔からよく耳にしていました。
きっとこの方も、心も、内臓も、とてつもなく強いのでしょうね。
正直、本当に羨ましいです。
本音を言えば、まだまだ一緒に走り続けたかったです。
今年も変わらず、大きな大会に挑戦されるとのこと。
何も出来ませんが、陰ながら応援しています。