COLNAGO トップチューブのクラック修理
トップチューブのクラックでお預かりしたCOLNAGOです。
遠方から送られてきた初めてのご依頼、少し緊張する修理でした。
1. 小さなクラックから始まった相談
落車した際にクラックが入ったそうですが、最初は小さかったため、あまり気にせず乗り続けていたそうです。
ところが、徐々にクラックが拡大。
さすがに気になりだして、ご相談いただきました。
実は、落車を経験したカーボンフレームというのは、本人が気づかないだけで、大なり小なりクラックが入っていることがあります。
今回はご本人が気が付けましたので、修理の相談につながりました。
2. 落車後にできる簡単な確認
もし落車後、フレームにクラックが無いか不安な場合は、洗車後にマイクロファイバーなどでフレームを拭き上げてみてください。
表面に症状が出ている場合に限りますが、クラックが入っている部分は鋭利になっていることがあります。
そこにマイクロファイバーの繊維が引っ掛かって、気づくことがあります。
さらにその部分を硬いもので叩いてみる。
正常なカーボンはカンカンと高い音が出ますが、割れているカーボンの場合、段ボールを叩くようなコモッた音を出すことがよくあります。
もちろん、これですべて分かるわけではありません。
でも、違和感に気づくきっかけにはなります。
3. 遠方から送られてきたCOLNAGO
今回は、知人から紹介を受けて、遠方から郵送でフレームが送られてきました。
面識の無い方の修理をお受けするのは、これが初めて。
正直緊張します、夜も8時間しか眠れないほどです。
直接お会いしていないからこそ、写真や状態確認、事前の説明をいつも以上に慎重に進めました。
4. 塗膜を落として、状態を確認
早速、塗膜を削り落として、キズの深さと大きさを確認します。
打音で確認すると、確かに音がコモッています。
ボソボソといった感じで、正常の部分はカンカンと高い音を奏でます。
ただ、範囲はそこまで大きくなさそうです。
写真では分かりにくいですが、5センチくらいのクラックが目視で確認できます。
ちなみに、クラック近くにあるサインのような文字は再現不可能であることを、あらかじめ了承いただいています。
5. カーボンを二回巻きする
今回は、一枚のカーボンシートを二回巻きすることで強度を出します。
シートが折り重なる部分は、クラックとは反対側に来るようにして巻き付けます。
ここは地味ですが、大事なところです。
熱を加えて硬化させます。
この時点で、もうカチカチの触り心地です。
6. 盛って、削って、スムーズにならす
パテを盛り、削りを繰り返すこと三回。場合によっては四回。
せっかく貼ったカーボン層を削ること無く、徐々に整えています。
さらにサフを吹いて磨く工程を二回繰り返し、表面の滑らかさを仕上げます。
昔から塗装は、塗りよりも磨きが大切とよく聞かされてきました。
その基本は変わらない。
あわてて塗らない、急がば回れでコツコツ下地を作ります。
7. 初めてのパール塗装
塗装は、ホワイト → パールホワイト → クリヤー。
俗に言う、スリーパールコート塗装です。
これが難しい。
二層目のパールをどのくらいのせれば正解なのか、正直よく分かりません。
のせ方が不均一だと、マダラになってしまいそうで怖い。
初めてのパール塗装。
怖いのでいつもより厚塗り。
クリヤーを塗ったら引き返せないので、何度も光を当てて確認しました。
8. 磨いて完成
最後に、まわりと馴染ませるために磨いて完成です。
ここまで来ると割と安心な作業。
好きな洋楽を聞きながらノリノリで磨きます。
どうでしょうか?ピカピカです!
初めてパール塗装しましたが、なかなか良く出来たと思います。
サインは消えてしまいましたが、一見するとどこを直したか分かりません。
これで気にすることなくCOLNAGOに乗れるようになっているはずです。
9. 直接会わなかった修理
今回は、知人からの紹介で送られてきたCOLNAGOの修理でした。
最後まで直接お会いすることはありませんでした。
ただ、知人からの報告で、とても喜んでいただけていると伝え聞くことが出来ています。
これは、やっぱり嬉しいです。
今でも無事にこのCOLNAGOは走り続けているのでしょうか。
経年劣化でどのように修理部分が変化したかも気になります。
もう3年も前のことになりますので難しいかも知れませんが、もし、このブログをご覧になることが偶然ありましたら、現在の状況をお知らせ頂けると嬉しいです。